今回の治療にあたり、ウィッグを初めて検討された方も多いと思います。
一方で、これまでおしゃれウィッグを使っていた方の中には、「医療用ウィッグとは何が違うの?」と疑問に感じる方もいらっしゃいます。
実際、サロンにお越しくださるお客様からもこのご質問はとても多くいただきます。
そこで今回は、「医療ウィッグ」と「おしゃれウィッグ」の違いについて、分かりやすくご紹介します。
■ おしゃれウィッグとは?
おしゃれウィッグは、基本的に地毛があることを前提に作られているものです。
そのため、ウィッグのベース(土台)もしっかりとした素材が使われていることが多く、地毛をネットの中にまとめて装着するようにデザインされていたり、地毛を活かしながら、スタイルを整える設計になってます。
また、スタイルは華やかでボリュームのあるデザインが多く、お出かけ用やファッションアイテムとして楽しむことが目的です。
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■ 医療用ウィッグとは?
一方、医療用ウィッグは、抗がん剤治療などで脱毛がある方が使用されることを前提に作られています。
そのため、肌への刺激を最小限に抑えるように、ベース部分はやわらかく通気性のある素材が使われており、長時間つけていても負担になりにくいのが特徴です。
さらに、周囲に治療中であることを知られたくない方のために、できるだけ自然でナチュラルなスタイルに仕上げられているものが多く見られます。
■ 大切なのは「目的」に合った選び方
このように、医療ウィッグとおしゃれウィッグは、そもそもの“目的”が異なります。
そのため、「自分がどういうシーンで、どんな目的でウィッグを使いたいのか?」を明確にすることが、ウィッグ選びではとても大切です。
■ ウィッグは「見た目」だけでなく「心の支え」にも
最近では、抗がん剤治療もずいぶん進歩し、治療を受けながらお仕事を続けている方も多くなりました。
その中には、人と接する機会が多いお仕事の方や、外見が重要なお仕事をされている方もいらっしゃいます。
また、「職場の人にはできるだけ知られたくない」というお気持ちから、自然に見えるウィッグを求められる方も少なくありません。
お仕事をしていない方でも、ちょっとしたお出かけの際に「帽子だけではなんとなく物足りない」と感じたり、
「いつも通りのおしゃれを楽しみたい」と思われることもあると思います。
そんなとき、ウィッグは単に髪型を整えるためだけでなく、心の面でも大きな支えになります。
治療に向き合う中で、どうしても気持ちが沈んでしまうこともありますよね。
でも、鏡の中の自分に少し自信が持てたり、「これなら外に出られる」と思えるだけで、気持ちが前向きになることもあります。
■ 自分らしさを大切にできる選択を
ウィッグは、「髪がなくなったから仕方なくつけるもの」ではなく、
「今の自分が少しでも心地よく過ごすためのもの」として選んでいただけたらと思います。
どんなスタイルが自分に合うのか、どう見せたいのか。
見た目の自然さだけでなく、気持ちの部分でもしっかり寄り添いながら、あなたに合ったウィッグ選びのお手伝いをさせていただきたいと思います。
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