治療中の心の支えにもなる医療ウィッグですが、正しく使わないと頭皮に負担がかかってしまうこともあります。体調や頭皮の状態に合わせて、無理のない使い方を心がけましょう。
敏感な頭皮に配慮することが第一
抗がん剤治療や放射線治療の影響で、頭皮が非常に敏感になる方も多くいらっしゃいます。乾燥や赤み、かゆみ、ヒリつきなどの症状がある場合は、ウィッグの使用を一時的に中止して頭皮を休ませることが大切です。
ウィッグを装着することで症状が悪化する可能性もありますので、不安があるときは主治医に相談し、必要に応じて医療用帽子を使いましょう。
インナーキャップで肌を守る
インナーキャップ(下地キャップ)は、医療ウィッグを安全かつ快適に使うための必須アイテムです。直接ウィッグを頭皮に着けると、汗や皮脂でウィッグが傷みやすくなります。
インナーキャップは汗を吸収してくれるので、ウィッグの汚れや臭いを防ぎ、結果的にウィッグの寿命を延ばすことにもつながります。洗濯機で洗えるタイプのキャップなら、毎日清潔に保つことができます。
医療ウィッグの寿命と長持ちさせる工夫
医療ウィッグには明確な「使用期限」はありませんが、使い方や頻度、お手入れの仕方によって寿命が大きく変わります。
- 毎日使用する場合:半年~1年ほどで毛先の傷みや抜け毛が気になり始めることがあります。
- お出かけ用など使用頻度が少ない場合:3年以上使えるケースもあります。
複数のウィッグをローテーションで使うと、それぞれの負担が軽減され、長持ちしやすくなります。
正しいお手入れ方法でウィッグを守る
ウィッグはとてもデリケートなため、お手入れにも気を配りましょう。
- 洗うときはシャワーを直接かけず、洗面器にぬるま湯をためて優しく押し洗い
- シャンプーは専用のものを使用
- 濯ぎもやさしく、シャワーは使わない
- タオルで包み込んで水気を取る(絶対に絞らない)
- 自然乾燥が基本。スタンドに置いて形を整えながら乾かします
- 専用ブラシでやさしくブラッシング。地毛用のブラシは使用を避けましょう
無理をしないウィッグとの付き合い方を
「人に見られるから着けなきゃ」と無理をする必要はありません。ウィッグはあくまで、ご自身が少しでも快適に、前向きに過ごせるためのアイテムです。
調子がすぐれない日は無理せず、医療用帽子やスカーフを使うなど、自分のペースに合わせて取り入れてください。
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